冊子・ビラ・書籍
冊子「拉致監禁」シリーズ 3 反対派の悪辣な手口
3 手口を裏付ける田口民也氏の著書『統一協会 救出とリハビリテーション』より
第4章 統一協会からの救出・具体的方法
救出のフロー≪PDF版≫
注1 統一協会に関する出版物
- 『原理講論』世界基督教統一神霊協会編、光言社
- 『統一協会からの救出』田口民也編著、いのちのことば社
- 『統一協会=原理運動』浅見定雄著、日本基督教団出版局
- 『検証・統一協会』山口広著、緑風出版
- 『マインド・コントロールの恐怖』スティーヴン・ハッサン著、浅見定雄訳、恒友出版
- 『統一協会の素顔』川崎経子著、教文館
- 『六マリアの悲劇』朴正華著、恒友出版
- 『愛が偽りに終わるとき』山崎浩子著、文藝春秋社
- 『アドルフに告ぐ』(全五巻)手塚治虫著、文春文庫
- これらの出版物の中では、(2)が元信者の証言として迫力があり、エピソードも豊富で読みやすいうえ、『原理講論』についても触れていて、統一協会の全体像を把握できる。(3)は解説書中いちばんのベストセラー。統一協会の実態を明らかにしている。(7)、(8)は肩のこらない読み物なので、疲れたときに読むといい。(5)は力作、読み通すのに時間がかかる。
- これらの書物の一冊を選んで、協力依頼者(親戚、友人など)全員に一冊ずつ配布し、確実に読んでもらう。いろいろ渡してもなかなか読んでもらえない。相手の様子を見て、次を買って渡すかどうか決める。ともかく一冊だけは確実に読んでもらう。
- (9)は手塚治虫の漫画であるが、「原理」に疑いをもち始めたころに本人に見せる。抵抗がなく、漫画好きの若者にはよさそう。ユダヤ人を迫害するように教育されていく過程は、マインド・コントロールそのもの。
- (4)から(8)までは、この種の書物があることを本人たちは知らされている(免疫をつけられている)が、実際にきちんと読んではいないようだ。あまり早く見せると素直に受け入れず、「うそだ、間違っている」と拒否反応を示す。
- 「原理講論」は入手できれば目を通して見る程度。聖書の知識がないと、誤りがわからない。
注2 キリスト教に関する書物
- 『聖書(新改訳)』日本聖書刊行会
- 『楽しく読める聖書・リビングバイブル〈新約〉』いのちのことば社
- 『わかるキリスト教』久保有政著、レムナント(星雲社)
- 『聖書理解のためのガイドブック』ジョン・ストット著、聖書同盟
- 『信仰入門』ジョン・ストット著、すぐ書房
- 『新版・一問一答』尾山令仁著、いのちのことば社
- 『聖書バンドブック』ヘンリー・H・ハーレイ、聖書図書刊行会
- 『ヨハネ福音書講解』上・中・下、榊原康夫著、小峯書店
- 『神谷美恵子著作集』(全十巻のうち一、二、三巻)みすず書房
- 統一協会の教義(『原理講論』)は、キリスト教の異端(聖書の独善的解釈)であるが、基礎になっているのが聖書なので、聖書を読む必要がある。また聖書の理解には、教会に通うのがよい。そこで救出を決心したら、教会を紹介してもらって通うようにする。
- 同時に自分ひとりでも聖書を読まなければならない。読んでもわからないが、(7)を併読すれば聖書やキリスト教の背景が少しわかる。また(2)は(1)よりわかりやすい表現になっている。(3)から(4)は聖書(キリスト教)の理解の助けになる。救出までには最低でも新約のうちの四福音書、旧約の創世記、出エジプト記くらいまでは、とにかく目を通しておく。?を読むと、ヨハネの福音書の意味がよくわかる。
- (9)は救出が始まってから、家族が本人とともに読むのに適していると思う。すなわち救出が始まったら、家族は本人といっしょに「聖書を勉強するように」と言われる。しかし互いに輪読しても「心ここにあらず」で、しかも家族には聖書の意味がよくわからないので、頭に入る状況ではない。したがって(9)のような本も読み合ってみてはどうか。
注3 小さい時から特に敬慕しているおじ、おばはいないか。その人の指示は受けやすい。
また親戚や友人に統一協会の恐ろしさを知らせ、協力を依頼することは(少なくともその範囲に)新しい被害者を出さないことになるばかりではなく、親戚、友人の絆を以前にもましてしっかりしたものにするのに役立つ。
注4 家(部屋)を探すときに考慮すべきこと。
- 住居には一戸建て住宅、アパート、賃貸マンション(これにはウィークリー・マンスリーマンションもある)などあり、一長一短である。いずれにしても、自宅や下宿では統一協会からの邪魔が入るのでよくない。
- 説得者(できれば牧師、元信者)にも交通の便利のところを選ぶ。
- 定期報告に好都合なように、近くに公衆電話(できれば電話ボックス)があること。
- 携帯電話を使用する場合は、本人に気づかれないように、置き忘れないように、特に充電中に気づかれないように、また外から電話をかけてよこさないように頼んでおかねばならず、こちらから電話する時も室外からとなれば、結局公衆電話とあまり変わらない。
- 近くにコンビニエンス・ストア(二十四時間営業)、スーパーなどがあれば、なにかと便利。
- 駐車場があれば、これも便利。
- 近くに銀行や郵便局があること。(口座を開き、当座の金銭を振り込んでおく。ガス、水道、電気代、および部屋代は引き落としとする。)
契約時の注意
- 契約は本人となる。職業は適当でよいので、学生とか大学院生など、時間に余裕のある職業にしておく。
- 契約期間は最短でも一年となる。(途中解約できないことが多い。敷金、〔礼金〕、権利金、前家賃などを準備しておく。)
- 本人といっしょに両親がいることの理由を考えておいたほうがよいかもしれない。
以下、マンションを借りた場合
- 一戸建てよりマンション。逃亡の危険が少ないし、内部からの目張り箇所も少なくて容易である。
- 借りる時は高層の上のほう、四階以上がよいと思う。三階以下では飛び降りることも。特に隣に二階の屋根があれば逃げる恐れがある。
- 風呂のついているところを借りるとよい(日に何回も入浴すると、気分転換になり、また疲れがとれるから)。
- セキュリティーシステム(早期警報システム)があれば、板でおおってしまう。
- エアコンを取り付けられればよいが、ない場合は換気に注意すること(後述)。
- 間取りは、できれば2DK以上がよい。一つの部屋には、本人を真ん中にして両サイドに両親か兄弟が寝る。もう一つの部屋には、それ以外の者が寝る。睡眠不足を補うため、昼間にはもう一つの個室で交代で仮眠もできる。
- 特に高齢の両親は体力の維持を考えて、ある程度部屋の余裕があったほうがよい。最後までつきあうのは結局、両親となることが多いので、体力の消耗を最低限に抑えるように心がけねばならない。
- マンションは防音がしっかりしていて、隣人に気を遣わずにすむ。(しかし入居時には両隣には、あいさつをしておく。)
- 管理人のいる場合は、その対策を考える。部屋の前を通らずに出入りできる通路はないか、また在室時間を確認しておく。(目張りの材料を多量搬入しなければならない。また初めは人の出入りが多いので、怪しまれないようにしなければならない。管理人にも挨拶しておくこと。)
以下、マンションを借りた場合
- 逃亡されそうな場所はすべて内側から完全に施錠し、また遮蔽する。
- 玄関は内側から南京錠をかける。ドアのストッパーを使って鍵をかけるとよい。
- 注意-鍵はすべて細い組紐に通して、一括して常時首からぶらさげておく。一括した鍵は入浴の時、忘れないように。ナンバー合わせの錠前のほうがよいかもしれない。鍵をかけたつもりで、かかっていないことがある。鍵のかかっていることを確認すること。
- ベランダ側、また廊下側もすべてアルミサッシ戸、窓はその上から透明または半透明の塩化ビニール(アクリル製)波板を打ちつける。ベニヤ板は部屋が暗くなるし、外部から見られた時に異常な感じがするので、適当ではないだろう。危険防止、逃亡防止の細工は徹底的に(オーバー)にすることがコツである。
- アクリル板の上を、さらにレースまたは薄手の白いカーテンで覆っておくと、急に部外者(集金人、管理者など)が来た時に隠すことができる。
- 室内よりサッシ窓の遮蔽方法。
- 用意する大工道具−メジャー(前もってアルミサッシ戸の大きさを計っておいて、材料を買いに行くこと)、釘(長短二種)、ネジ釘(長短二種)、針金、鋸、金槌、ペンチ、プラスとマイナスのネジ回し(電気ドリルがあると便利)。
- 用意する材料−縦長の薄い角柱(角柱はかなり長いものが必要。材料はほとんどホームセンターでそろうが、ない時は平板を裁断してもらうとよい)、アクリル製の透明(または半透明)の波板(波板は割れるといって裁断してくれない。大きすぎても仕方がない)。
- 波板の打ちつけ方−(1) まず両側の柱に細長い角板を打ちつける。できるだけマンションの柱に傷をつけないようにするが、ある程度はやむをえない)。(2) アクリル板を必要なだけ横に並べて、裏よりネジ釘、電気ドリルを使って固定する(釘は波のいちばん高いところから通すと、亀裂ができない)。(3) 最後に(2) を(1) に固定する。
- 空気取入口のついているアルミサッシは波板で、内部遮蔽する前にすべて"開"にしておくこと。そのほかの壁の通気孔があれば、すべて"開"にして部屋の換気に注意すること。
- マンションであれば、台所、風呂場、トイレに換気扇がついているので、それを回せば、かなり換気はできるが……。
- 身体に危害を加える恐れのあるもの(刃物、ドライバーなど)の管理をしっかりしておく。
- 自分で閉じこもれそうなところ(洋間やトイレや風呂場など)、内から鍵のかけられる場所は、扉をはずしてしまうか、鍵がかからないようにする(「柱の受け」のくぼみの金具の上下に釘を打って、扉が完全に閉まらないようにするのが最も簡単)。
- 浴室などの配管工事用の「天井の入口」から逃げだした例がある。
注5 什器、備品について(必要なもの)
- 食器類(使い捨ての紙製のもの、またベークライトを勧める者もいる)。
- 寝具。
- 電気釜。
- 電子レンジ、トースター。
- 冷蔵庫。
- 洗濯機。
- ガスコンロ。
- 照明器具(備え付けがない場合)。
- できればエアコンをつけるとよい(扇風機でもあったほうがよい)。
- 近くに公衆電話、なければ携帯電話。
そのほか、こまごました日用品は、あとからコンビニエンス・ストア、ホームセンターで買えばよい。
注6 食料について
- お米(十キ口袋入り)、缶詰のお粥(断食後用)、インスタントラーメン、インスタントの味噌汁などのインスタント食品を多量に! 米袋は半年分ぐらい積み重ねておく。
- そのほかの食料は、近くにコンビニエンス・ストアがあれば、ほとんど入手できる。
注7 救出前日までの準備について
- 救出計画は綿密、細心に! 何度も全員で各自の役割分担を確認すること。
- それでもアクシデントは必ず起こると思ったほうがよい。その時はすべて一人のトップの指示に従う。
- いつ、どこで救出するか、またそこから保護場所までどうやって連れてくるのが最善かはケースバイケースで、一概には言えない。
- ただ一般的に言えるのは
- 絶対に本人に最後まで気づかれないようにすること。
- 救出時の人数は多いほうがよいこと。
- 救出当日は、顔の知られていない親戚、友人もいれて、前もって要所要所にいてもらうこと。
- 必ずカメラを持参しておくこと(万が一、邪魔が入った時に、写真を撮ると相手がひるむことがある)。
- 護送には八人乗りのバンなどを用いること。車に同乗するのは親しい者だけとする。
- 運転手と助手は車の運転の上手な人を選ぶこと。
- 途中で警察の「職務質問」にひっかかることをも考えて、身のあかしのために家族の写真をもっていくこと。
- 参考1 拉致監禁について。「近時点において、不正・違法行為に走ることが明らかな子どもを親が隔離監禁することは、法律上緊急避難として犯罪にならない。」
- 参考2 緊急避難(刑法三七条)「自己又ハ他人ノ生命、身体、自由若クハ財産ニ対スル現在ノ危難ヲ避クル為メ已ムコトヲ得サルニ出テタル行為ハ其行為ヨリ生シタル害其避ケントシタル害ノ程度ヲ超エサル場合ニ限り之ヲ罰セス但其程度ヲ超エタル行為ハ情状ニ因り其刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得」
- 保護後の監視役をどうするか。私たちの経験では最低の人数(両親と兄弟姉妹の中から一人、計三人)がベストのようである。
注8 救出の決行について
- あくまで初めの計画どおりに実行するようにし、直前でみだりに予定を変更しない。
- 車の中では、重苦しくても黙っていたほうがよいと思う。
- 行き先は教えない。
- 保護は、夜中に決行できれば好都合。
注9 救出後の対応について
この期間は二週間続く。
- 隔離場所に着いたら、まず嘘をついて連れ出したことを、率直に心から謝る。相手にはっきりわかるように謝ることである。両親が両手をついて深々と頭を下げて謝ったという話もある。
- 同時にいちばん大切なことは、みんながどんなに心配していたかを十分にわからせること。ともかく相手が心を開くようなことをする。その後、親戚は一斉に引きあげることが多い。親戚も救出の際には大勢来てくれるが、最後まで(寝泊まりを)長くつきあってもらうのは難しい(それぞれの生活があるのだから、しかたがないことである)。両親と兄弟姉妹計三人ぐらいが残るようにしたほうがいい。
とにかく相手が心を開くようなことをし、それで効果がない時は今度は徹底的に詰問して、相手が怒りを爆発させるようにする(この時、あまり親しくない他人はいないほうがよい)。この両極端の態度をうまく使い分けることが肝心のようだ。親はおどおどしないようにする。とにかく本人が、このままではいつまでも出られない、説得者の話を聞くしかないと早く悟るようにさせる。(ただし、この時点では本人は、やってきた説得者や牧師を論破してやろうと、また意気盛んである。)
この期間が二〜三週間続く。親は、朝から晩まで顔をつき合わせているので、しまいには何を話してよいかわからなくなってしまい、疲れてくる。しかしここががんばりどころである。もうすぐ説得者が来てくれることを思い、力を出す。
その際、留意点として示されていることは、
- 親のほうはあまりしゃべらず、できるだけ本人から多くのことを聞き出すようにすること。(といっても、なかなか話をしないが。)
- 本人になぜ統一協会に入ったか、入ってどんなことが良かった(楽しかった)かを聞き出すこと。
- 子どものころの話をすること。(そのために子どもの時のアルバムを持っていくことを忘れないようにする)
- 過去の楽しかったことを思い出させること。
- 親は説得しないこと。(これもなかなか難しい。)
- 生活のリズムを正すようにする。
- 『原理講論』の講義をさせること。
- 断食を始めるかもしれないが、決してあわてない。本人に以前に一週間の経験があれば、一週間は断食する。(念のため、親しい医者に連絡をしておくとよいだろう。)
- 説得者と絶えず連絡をとり、随時適切な助言を受ける。
補足説明
田口民也氏は、救出のフロー(図解)の3ページ目で「わかってくると、(信者は)眉間にしわを寄せて考えることがなくなり、顔つきが穏やかになる。夜、寝ていて、うなされることがなくなる」などと説明しています。信者が、脱会説得を受け入れれば、心が平穏になるというのです。ところが、同ページで「この後も……フラッシング、心のゆらぎなど問題は続く」と矛盾することを述べています。
長年、脱会説得に携わってきた杉本誠牧師(日本基督教団)は、元信者が脱会後に問題をかかえるケースが多々あることを証言しています。2007年11月17日「キリスト新聞」に、次のように記されています。(31頁の挿入写真を参照)
「救出されることによって『心に傷を受けていく人もいる』のは事実だと(杉本牧師は)話し、それが避けられるかどうかは家族カウンセリングにどれだけ時間をかけたかに尽きると語った。脱会させた後、家族はバラバラ、親子関係は滅茶苦茶になるなど悲惨なケースも多々ある」「救出カウンセリングは脱会しただけで終わるものではなく……『脱会後のケアが家族にとってどうできるかということを視野に入れた取り組みが求められている』と(同牧師は)語気を強めた」
このように、悲惨なケースが多々あるために、脱会後のケアが極めて重要であると言うのです。
田口氏が「顔つきが穏やかに……うなされることがなくなる」と述べたのは、これから監禁を実行する親族を安心させるために、あえて事実に反することを述べたと考えられます。実際に、脱会後、PTSDなどの深刻な被害で苦しみ続ける元信者が多数存在しています。
また、田口氏は「注7 救出前日までの準備について」の「参考1 拉致監禁について」の項目で、「近時点において、不正・違法行為に走ることが明らかな子どもを親が隔離監禁することは、法律上緊急避難として犯罪にならない」と説明します。
しかしながら、2000年4月20日の衆院決算行政監視委員会で、桧田仁自民党衆院議員(当時)が信教の自由に関して、「拉致、監禁、暴行、傷害罪など刑事罰行為に触れる行為は、たとえば、親子や夫婦なら問われないということがあるか」と質問したのに対して、当時の田中節夫警察庁長官は「親子や親族であっても、刑罰に触れる行為があれば、何人に対しても法と証拠に照らし厳正に対処する」と述べています。
信教の自由は、たとえ親族間であっても一方的に踏みにじることは許されない行為であるという事実を明確に知っておかなければなりません。
3 反対派の悪辣な手口
|