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冊子「拉致監禁」シリーズ 2 その時警察はどう動いたか
3 三度の拉致体験 監禁行為に荷担した警察官
小林宗一郎
人権侵害を見過ごす警察
警察官に対し、私が拉致監禁されていた事情を話していると、清水牧師がワゴン車でやって来ました。警察官は清水牧師とも話し始めました。千住警察のとき、警察官は私の訴えを完全に無視し、父兄たちの主張だけに反応しました。ところが太田警察の場合、少し様子が違っていました。私は、自分の意志に反して長期にわたって監禁されており、自分の人権が無視され、侵害されている事実を必死になって訴えました。
しばらくの間、警察官は牧師と話し合っていましたが、牧師に説得されたようで、「親に迷惑をかけるな」と私に言ってきました。結局、私は警察官が護衛する中、監禁されていたマンションまで再び連れていかれたのです。
偽装脱会の隙を見て逃げ出し、それが失敗して再び捕まってしまったため、私は次の偽装脱会がさらに困難になるものと考え、あえておとなしくせざるを得ませんでした。
マンションの部屋に入れられたとき、私は警察官に質問しました。「あの窓を見て下さい。ベニヤ板がはめられ、開かないようになっていますが、これは監禁ですよね」。そう訴えても、警察官は「いや、これは親子の話し合いだから」と言うのです。私は、もう一方の窓に入れられた分厚いセルロイド板を示して質問しましたが、やはり答えは同じでした。私は失望すると同時に、次の偽装脱会が難しくなることを考えて、それ以上は反抗せず、次の脱出のチャンスを待とうと思いました。
11月10日のことでした。清水牧師は、私が感想を一切言わずにいたところ、統一教会批判の話のネタも尽きてきたようで、「そろそろどうなんだ、(統一教会を)やめたらどうか」と尋ねてきました。そこで私は「やめようと思っています」と告げました。
私が脱会を決意したということで、次に横浜の戸塚教会の黒鳥栄副牧師につなげるということになり、脱会者との面接がもたれることになりました。11月14日の夜、私は元信者と面接の時間をもち、両親は清水牧師と話し合いをしていました。
元信者は、私の三度にわたる拉致監禁に対し「拉致監禁は犯罪だ!」と言い、その強引なやり方にむしろ同情をしました。私は、内心「拉致監禁は犯罪である」と叫びたかったのですが、そのように語ってくる元信者は、私が偽装脱会かどうかを見極めようしている可能性もあることから、「いいえ、親は愛しているから、こういうことをせざるを得なかったのです」と述べ、意に反した内容を元信者に語らざるを得ませんでした。
11月15日午前零時過ぎ、外は小雨が降っていました。私が脱会を告白した後、玄関ドアのチェーンは、いつもとは違って施錠されずに解かれてありました。両親も安心した様子であり、インスタントラーメンを食べていました。
私は逃げ出すチャンスが来たことを感じました。私は、玄関にあったスポーツシューズを履き、小走りに外に出ました。交通の手段がないため、追いかけて来られた場合、逃げ切ることができるかどうか不安がよぎりました。すると、滅多に通るはずもない深夜の道路を車が走って来て、近くの交差点の信号が赤となって、目の前で停車したのです。
私はそれを見て、神様が迎えに来てくださった車だと確信し、車のドアを開けて飛び乗りました。見ず知らずの者が飛び乗ったにもかかわらず、車を運転していた人は「どうしたの? 友人が事故ったの? 東京まで送って行こうか」と一方的に言ってきました。どうして?東京?と言ってきたのか分かりませんが、私は「はい、でも館林までで良いです。後はタクシーで帰ります」と告げ、館林まで送ってもらい、無事監禁から逃れることができました。こうして、三度目の7か月間以上におよぶ監禁から解放され、自由を得ることができたのです。
私は、大切な両親が牧師の言いなりになり、自分でものごとを考えて行動できなくなっていた姿が、どうしても許せません。両親は、牧師から統一教会批判を一方的に聞かされ、その話の内容のあまりのひどさに、「自殺まで考えた」と語っていました。息子のことを愛するその心を牧師は利用し、両親を威迫困惑させ、監禁を勧めているのです。
そして親は、今でも私をマインドコントロールされた人間としてしか見ることができず、純粋な目で子供を見ることができなくなっているのです。私はこれから、親と和解できるよう努力すると同時に、清水牧師を訪問し、親に対してどのようなことを語り、吹き込んだために、親がこんなことまでするようになったかについて知りたいと思っています。
私は監禁中に、マンションの中で聞いた「おまえを愛している。私の願いを叶えておくれ」という神様の願いは、この拉致監禁をなくすことであると感じています。この問題に対し、神様の願いを果たしていけるよう、これから活動していきたいと思います。
2 その時警察はどう動いたか
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