統一教会の信者に対する、拉致監禁・強制改宗について、その根絶を求めます。冊子「拉致監禁」シリーズ2 - その時警察はどう動いたか。監禁を二度も黙認した警察 宮腰美千代 親の不安を煽り、監禁継続させる牧師
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冊子「拉致監禁」シリーズ 2 その時警察はどう動いたか

5 監禁を二度も黙認した警察

宮腰美千代

親の不安を煽り、監禁継続させる牧師

私が騒いだせいか、マンションの大家さんが来て「出ていってくれ」と言いました。ところが父に言いくるめられてしまいました。だれが来ても、何が起こっても監禁から解放されないのを見て、私は「どうにでもなれ!」という自暴自棄の思いに襲われました。カーテンに火を付け、騒ぎを起こせば、ここから出て行けるかもしれないとも思いました。しかしマンションの住人に被害が及ぶし、また「統一教会の人間はこういうことをする」と悪く言われることを思うと、それも悔しくて、思いとどまりました。

監禁55日目を過ぎて、私が少しおとなしくなったためか、日中は母と二人になるようになりました。私は、母を暴力的にでも押し倒し、出て行こうかと思いました。普通ならば思い浮かばない考えが、自然と浮かぶような異常な環境だったのです。

私は、神様に必死に祈りました。高澤牧師が統一教会批判をして帰った後、たまらなくなって壁を叩いて泣きながら、文先生がメシヤであることを大声で証し続けました。そうすることでしか、自分の気持ちを抑えることができませんでした。壁を叩くうち、右手が青くグローブのように腫れあがり、力が入らなくなりました。内心「これで母に暴力を振るうことができなくなって良かった」とも思いました。

監禁80日目頃、統一教会をやめようとしない私に父は苛立ち始め、母が買い物に出かけている間、父から殴られました。私は後ろに倒れ、ベランダの出入り口のワイヤー入りのガラスが割れました。それから20分間ほど髪の毛を引っ張られ、蹴られ続けました。密室で暴力を振るった後で、父は「あと2週間だ、あと2週間でやめてやる」と言いました。そして、私に「詫び状を書け」と言い、書かされました。買い物から帰って来た母は「それならあんた(父)が牧師に連絡しなさいよ」と言いました。

翌日、父が松沢牧師に連絡を入れ、私は「これでようやく解放される」と思いました。ところが父は松沢牧師から説得され、約束を撤回したのです。

の翌日、高澤牧師が来たとき、私は母に「松沢牧師に何て言って電話したの」と聞くと、母は「牧師さんが来てくれないけど、どうなっているんでしょうかと聞いただけ」と言いました。マンションの外にTさんのお父さんも来ていたようで、私の父に対し「脱会説得(監禁)を諦めたらいけない」と説得していた様子でした。私は「あと2週間」といった父の約束が、私の関係ないところで話し合われ、完全に覆されたことに失望しました。

高澤牧師は「この家は、弟さんが大学へ行ってお金が大変だから、うちの教会の人に頼んだらみんな心のやさしい人達ばかりだから(監禁のために)支援金を出してくれるよ。それで1年でも2年でも分かるまでやったらいい」と言い、これまで4回監禁されて脱会した元信者の話や、10回監禁されてやっと脱会した元信者の話をし、私が逃げても何度でも監禁をやると言って来ました。

そして、高澤牧師は「今この子を外に出したら、さっさと韓国へ行きますよ。統一教会はそうなっているんだ」と両親の不安を煽り、さらに監禁を続行させようとしました。私はたまりかねて「あなたはうちの家を和解させに来たのか、分裂させに来たのか、どっちなんだ」と言うと、高澤牧師は「どっちでもない」と言い返すのです。私は身も心もボロボロでした。

監禁90日目頃、高澤牧師の奥さんが手術のため入院しました。高澤牧師は来なくなりましたが、その代わりにTさんが尾島淳義氏を連れてきました。尾島という人物は、統一教会関係の本をたくさん読み、アラ探しばかりしている人でした。

尾島氏は、西日本福音ルーテル教会の青谷教会信徒ですが、自分の教会を「クルーテル教会」「ルーシェル(悪魔)教会」と言うような人でした。そして「今の統一教会問題は、既成教会が問題です」と言いました。「どうしてそう思うのか」と聞くと、尾島氏は「キリスト教会は、統一教会の人が訪ねて来ても異端視しシャットアウトする。牧師だからといって心が広いわけではない。自分の教会と統一教会とどちらが魅力あるかと比べると、とても自分の教会に人が来てくれるとは思えない」と言いました。そして「人がたくさん伝道される統一教会がうらやましい。私はビデオセンターにも行ったことがある」と言いました。どういう動機でそんなことを言うのか分かりませんでしたが、とにかく屁理屈をたくさん言ってくる人でした。

私は尾島氏の批判を聞き、「自分たちの教理が正しいと思っているなら、自分たちの教理を人に広めて伝道したらいい」と言い返しました。そして、「文先生に一度でも会われたことがありますか?」と尋ねました。尾島氏は「一度もない」と答えました。高澤牧師にも同じ質問をしたことがありましたが、やはり「一度もない」と言っていました。一度も会ったことがない人が、なぜ信者も知らないようなことを「知っている」と平気で言い、人を批判することができるのでしょうか? 監禁した統一教会信者に対し、文先生を不信させるための誹謗中傷をさんざん聞かせ、脱会すれば自分の教会信者にしようとする、本当にこれらの人たちは偽善者だと思いました。

監禁100日目頃、私は新約聖書を読み続けて行く中で、イエス様の歩みが文先生の路程と重なっているように思え、それを高澤牧師に伝えると、「あんたと同じようなことを言っている奴がいる」と言って『統一教会の正統性』という本を取り出し、半分ぐらいまで読んだと見せびらかしました。


2 その時警察はどう動いたか
  1. まえがき
  2. 拉致監禁事件に終止符を打つため、両親・牧師を告訴 今利智也・理絵夫妻
  3. 三度の拉致体験 監禁行為に荷担した警察官 小林宗一郎
  4. 人権を無視した拉致監禁 許せない 静岡在住 M・S
  5. 監禁を二度も黙認した警察 宮腰美千代
  6. 桧田仁議員「警察は見て見ぬふり」
    田中警察庁長官「親族間でも厳正に対処」
    平成12年4月20日 衆院決算行政監視委員会での質疑応答要旨
  • 我らの不快な隣人

    ルポライター米本和広氏が、拉致監禁によって引き起こされたPTSD被害の実態をレポート。

    ►第6章 掲載
  • 人さらいからの脱出

    世にも恐ろしい「人さらい事件」に関わった弁護士、牧師、マスコミ人らの非道な実態を実名で白日のもとにさらす。

    ►書籍紹介
  • 日本収容所列島

    いまなお続く統一教会信者への拉致監禁。小冊子やパンフレット、HP等で告知してきた内容をまとめました。

    ►書籍紹介

URLから
http://kidnapping.jp/m/
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