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『大学の宗教迫害 − 信教の自由と人権について』 室生忠 編著
「カルト対策」の名による、基本的人権の侵害の実態!
2012年1月31日 発行
【著者紹介】
室生忠(むろう ただし) : 1944年、茨城県生まれ。フリージャーナリスト。1968年に中央大学法学部を卒業して執筆活動に入る。宗教を中心に青少年問題、薬物問題、都市伝説などの現代社会の諸テーマに取り組み、とくに新宗教、新々宗教、ニューエイジなどに詳しい。著書、編著書、共著に『宗教パワーと世界政治』『新人類と宗教』『対論・オウム真理教考』『都市妖怪物語』『覚せい剤』(三一書房)『若者はなぜ新・新宗教に走るのか』(時の経済社)『死の復権』(すずき出版)『危機を乗り越え心の道場』(ダイヤモンド社)『大学の宗教迫害』(日新報道)その他多数。
真理探求の場である大学当局が新宗教系の特定サークルに不当と言える迫害、妨害を与えている。当事者である学生たちは心身に大きな痛手を受けている。学内における信仰の自由は果たしてこれでいいのか。内外の宗教ジャーナリスト、学者、司法の専門家が語る。
【内容紹介】
本書によれば、全国の大学で「カルト対策」と称する容赦ないパワー・ハラスメント、アカデミック・ハラスメントが一部の学生に加えられているという話しを著者が聞いたのは、2010年11月のことだったという。長年にわたり強制棄教問題を取材し追求してきた著者は、わずかな事前調査と取材をしただけで驚愕して確信したという。著者は「まえがき」で次のように語る。
「日本の現実社会にあって、日本の宗教史上また大学史上に黒く深い汚点となって消えることのないであろう未曾有の宗教迫害が現実に進行している。これほど悪質で構造的な基本的人権の侵害が、“真理探究の府”大学で長年続けられている事実が、なぜいままで明らかにされてこなかったのか。日本社会は、その名誉と責任において、大学「カルト対策」なるものの実態と構造をつぶさに知るべきである−。そう確信せざるを得なかった。」
全国の大学で「カルト対策」の名のもと、学生に対して行われている深刻な人権侵害の実態が丹念な取材により明らかにされている。
まえがき
第1章 大学で迫害される「仔羊たち」
- 大学構内で続発する拉致事件
- 大学側が積極的に加担
- 背後に「保護説得」のプロ集団
- 大学側の驚くべき働きかけ
- 強まる大学の「カルト対策」
- 露骨なCARP批判
- 国立大学で「カルト対策」が必修科目に
- “アカハラ”“パワハラ”の実態
- まともな教員もいるけれど・・・
- 反統一教会牧師との緊密な連携
- 少子化による大学経営への危機感
- オウム事件を契機に奨学金の学生支援機構が“事業拡大”
- 「学外の専門家」との“連携”
- 「カルト論」と「マインド・コントロール理論」の擬似科学性
- 脱「カルト」の“実力者”高山牧師の支離滅裂な講演
- CARP、反転攻勢に転ずる
- 改善の兆し
- 要領を得ない大学職員の応答
- 「カルト対策」はむしろ強化されている!?
- あの高山牧師の反省!?と学生支援機構の巻き返し
第2章 鼎談 大学の「カルト」対策の現状をどう見るか 石?淳一 米本和広 室生忠
- 学生生活支援が「カルト対策」!?
- そもそも「カルト論」とは・・・
- 「マインド・コントロール理論」も曖昧模糊
- 学外のイデオロギーと「協働」する危険性
- 少子化がもたらした大学の危機感
- 文科省所管の学生支援機構が“新事業”
- 色濃いアカハラ、パワハラ
- 組織がらみの危うさ
- 続く精神的苦痛
- 個人の判断か、組織の判断か?
- 研究実績のない者の出世コース!?
- 児童虐待に共通するもの
- 10年も被害を放置してきた統一教会―不法には反論を
第3章 アイリーン・バーカー博士インタビュー
- 強制棄教と脱会カウンセリング、思考矯正カウンセリング
- “黒い稲妻”テッド・パトリック
- ディプログラミングの反省から
- ディプログラミングの後遺症
- ディプログラミングの方法と動機、効果
- 「カルト」の意味
- マインド・コントロールではなく、「マインド・インフルエンス」
- 欧米の司法判断
第4章 福本修也弁護士インタビュー
- 国立大学の「信教の自由」は、より厳格であるべき
- 「カルト度」は間違い
- 地位利用の不法なアカハラ
- 問題な、学生支援機構を使った「カルト対策」
- 効果的な対処法はアカハラ訴訟を起こすこと
あとがき