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「国境なき人権」が、国連規約人権委員会に対して拉致監禁問題を提起!
去る10月25日、欧州を中心に活動する国際人権NGO「国境なき人権」が、日本の拉致監禁・強制改宗問題に関するニューズレターを発行しました。
同レターは、来年7月に日本への審査が予定される国連規約人権委員会に対して、日本政府および関係当局の怠慢が同問題をより深刻にしていると同時に、日本が加入する国際人権規約に対しても著しく違反していることを指摘する内容となっています。
以下、日本語訳全文を転載いたします。
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主題:ニュースレター:日本:新宗教運動に対する棄教を目的とした拉致事件の免責について「国境なき人権」(HRWF)が国連規約人権理事会に提起
加盟団体:EU Fundamental Rights Platform (FRP)
一員:EU Human Rights and Democracy Network (HRDN)
一員:European Platform against Religious Intolerance & Discrimination (EPRID)
一員:Advisory Board of the European Parliament Platform for Secularism in Politics (EPPSP)
国際NGO 国境なき人権
ニュースレター:『宗教や信仰に基づく不寛容と差別』
声明文:国際NGO国境なき人権(HRWF)はあらゆる外部情報元から得た幅広い意見を有する。また記載されている意見は必ずしもHRWFの立場とは限らない。
目次
日本
新興宗教に対する拉致と強制的棄教の実態
HRWFが国連規約人権委員会に対して、人権違反に対する処罰が適応されていない実態を訴える
2013年10月25日
日本
新興宗教に対する拉致と強制的棄教の実態
HRWFが国連規約人権委員会に対して、人権違反に対する処罰が適応されていない実態を訴える
10月27日 国際信教の自由の日
HRWF (2013年10月26日)
10月27日に毎年行われる国際信教の自由の日の前夜、HRWFは国連の規約人権委員会に提出した報告書「日本:棄教を目的とした拉致と拘束」‘(市民的及び政治的権利に関する国際規約7,9,12,18,23,26条の違反)への注視を求めた。
同レポートは、新興宗教の成人信徒を標的として行われる、一部プロテスタント系牧師らの協力を受けた家族・親族らによる拉致事件に関する証拠資料と、順守すべき国際的人権法に対する日本の矛盾の為に、これらの犯罪の捜査及び起訴が行われていない実態を報告している。韓国人の創始者、故文鮮明氏によって創立された温和な新興宗教である統一教会に入教した信徒たちは、自身の親族によって拉致・監禁され強制的に棄教を迫られるリスクに瀕している。
1966年に宗教的動機に基づき行われた拉致事件が初めて確認された後、これまでに何千人もの成人信徒に対する数週間、数カ月、時に複数年に亘って行われてきた監禁事件を当局は見過ごしてきた。ある信徒は親族の手によって12年もの間監禁されていた。2009年以降にも11件の拉致事件が確認されおり、その他にも14件の元統一教会信徒が拉致され、棄教に至ったことを示唆する証拠が確認されている。
HRWFによって身元が確認されているが公表を望まないある女性からは、彼女が妊娠五か月の時に親族の元を訪れた際に拉致された事が報告された。彼女は窓やドアが全て厳重に施錠されたアパートの一室に監禁され、当番制で見張られていた。「妊娠時に家族から監禁されたことに非常に大きなショックを受けました。幼少期から近しかった親族たちが、その日からとても恐ろしい人達に変貌しました」とHRWFに宛てた書状の中で、彼女は当時の恐怖について綴っている。福音派プロテスタントの牧師や複数の元統一教会信者が彼女に対し「脱会カウンセリング」を日常的に行い、統一教会への信仰を捨てるよう脅迫を続けた。更に彼女は自身の親族女性から「妊娠している胎児を違法的に堕胎する事が出来る医師を見つけた」と脅され、深い恐怖に陥れられたとの報告もあった。彼女は妊娠8か月の段階で棄教を装い解放される事となった。
当の統一教会は日本社会において一般的にネガティブなイメージを持たれており、セクト(Sect) という国連が推奨し得ない蔑称を用いたレッテルを貼られてきた。よって多くの場合、当局も親族らの訴えに同調し、成人である子供達を統一教会から「救出している」と捉えるばかりか、拉致や強制的監禁、そして彼らが望んでもいない「脱会カウンセリング」の手助けをしているケースもある。そしてこれらの案件に関して日本のメディアはほとんど取り扱う事もなく、国内における人権団体もこの実態を暴く事はなかった。
2010年以降、HRWFによって幅広く行われてきた調査の結果、これらの拉致被害者と繋がりのある教団内の知人や時に被害者の婚約者が当局に対し、宗教的動機に基づいた拉致監禁が行われている実態を報告しているにも関わらず、その多くは当局の無関心さと直面し適切な措置が取られなかった。HRWFはその他にも、正式な届け出があったにも関わらず警察が失踪者の捜索を行わず、更には、拉致監禁されたとみられる被害者に対しても、警察から彼らに自らの意志に反した拉致や監禁が行われているのか否かの確認がなされなかったケースについて数多く認知している。
HRWFの知る限りで、これらの棄教を目的とした拉致・監禁罪を裁くための刑事裁判が日本で開かれたことはない。更にこれらの事件が法廷に持ち込まれた際には、統一教会員である「棄教を目的とした拉致・監禁」被害者が差別的な扱いや判決を受けることも指摘されている。
しかしながら、国際人権法には信教の自由は「伝統宗教や伝統宗教のものと類似した制度的特性や慣行を持つ宗教や信条」に限定されないと明記されており、国連人権理事会は「新興であれ優勢な宗教的コミュニティの一部にとって敵意の対象ともなり得る少数派であれ、いかなる宗教や信条がいかなる理由においても、地域で影響力を持つ宗教からの迫害を受ける事に対しては常に懸念の目を向けなければいけない」との踏み込んだ見解を表している。また、2012年には国連機関の「宗教および信仰の自由に関する特別報告官」から国連事務総長に対し「改宗前のコミュニティーや社会環境による暴力やハラスメント等の権利の侵害の可能性に対して、国家は改宗する権利を守る義務がある」との暫定報告を行っている。
1979年に「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の裁可を行う事で信教の自由を日本は保証しており、HRWFは国家が裁可し義務として順守すべき国際人権法に基づき、温和な新興宗教の信徒たちに対する第三者の宗教的動機に基づく強制的な棄教の為の拉致・監禁に対する適切な権利の保護を迅速かつ戦略的に取り組む必要があると日本の当局に対して働きかけている。
HRWF脚注
HRWFから国連の規約人権委員会に対して提出された報告書の‘日本:棄教を目的とした拉致と拘束‘(市民的及び政治的権利に関する国際規約 7,9,12,18,23,26条の違反)は下記の国連機関である国際連合人権高等弁務官事務所のウェブサイトからも確認が出来る。
http://tbinternet.ohchr.org/_layouts/TreatyBodyExternal/Countries.aspx?CountryCode=JPN <http://r20.rs6.net/tn.jsp?f=001N_sDuJi_Ru1Pxs4YvqUi1SjdfJjYek_GPqz08EiN89xOlWk3rzckQP_qq2Dt9Xdr_W_ToKufMPIUfxkI70sq5CGt1l6aBUf2gTncglZtHPsjr4ApYW9WBmKgnKgSUvtxT5zhTAgRKO6825yU8ou4K-AxfvDG4dCKUDjeN5yrPoEAjsBCGYgGfrdL-nZyw7k7k1g6qfobOkwIcA22mfak3C7F5eOuV3cMSa3k56RN1k-Ora1Hjr9yU28OKoBioVYvjwhaFI11y4ELaxglvQ8v-EHTsuZlFgdV&c=UMmj1QaXq1qxc34UvbVnjmK1_QRAYw8XIPyuSDVaquJFdvy71Q0gpQ==&ch=yskCWkj-4hjn-rbRFbuj8aY5m8OX4ZSyjHjTOb-mecXQadac9owk_A==>
&Lang=EN
「棄教を目的とした拉致と監禁(自由の剥奪行為)」に関するレポートはHRWFの下記のURLにて入手可能となっている。 http://www.hrwf.net <http://r20.rs6.net/tn.jsp?f=
Human Rights Without Frontiers 「国境なき人権」
<連絡先>
住所:Avenue
d'Auderghem 61/16 1040
Brussels, Belgium
電話:+32 2 3456145
FAX: +32 2
3437491
E-mail:international.secretariat.brussels@hrwf.net
Website: http://www.hrwf.net <http://r20.rs6.net/tn.jsp?f=
E-mail: international.secretariat.