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2013年6月20日

後藤徹代表の民事裁判、被告・宮村峻氏と後藤氏妹の本人尋問


 当会代表の後藤徹氏が、自身の拉致監禁・棄教強要に関与した親族や新津福音キリスト教会の松永堡智(やすとも)牧師、職業的改宗活動家の宮村峻(たかし)氏などを相手取って起こした民事裁判は、617日、東京地方裁判所において第17回口頭弁論が開かれ、被告の宮村氏と後藤氏の妹Mさんに対する本人尋問が行われました。

 原告の他の兄弟同様、後藤氏の妹Mさんも長兄である被告T氏と同様に、統一教会の信仰を持つも、宮村氏の関与によって脱会しました。脱会後は、「30代の貴重な時間」(Mさん主尋問より)を125カ月間監禁された後藤氏との「話し合い」に費やしました。

 Mさんは原告代理人弁護士が行った反対尋問で、自身の脱会説得について宮村氏が首謀したという見方を全面否定しました。しかし「当時勤めていた職場へは父親が休職の旨を連絡」したことや、「話し合いの期間の最初の一カ月間は外出もせず、残り二カ月間の外出はその都度家族と話し合って決めていた」ことを認める等、当時Mさんが意思に反した監禁説得を受けていたことが推認されました。

 一方、Mさんは「両親が非常に真剣で、一生懸命話し合いをしようと言ってきたので、私は両親との話し合いに応じることにした」と意思に反した脱会説得ではなかったことを主張しながらも、「隙を見て逃げようと思っていた」「相対基準を結ばないようにした」「(宮村氏が来ることを承諾したと言いながらも)押し入れに閉じこもった」等と積極的に話し合いに応じる姿勢とは矛盾する行動があったことを認め、その理由について「統一教会での教え込み」を挙げています。しかし、原告代理人から「なぜ統一教会で教え込まれた『アベルカインの法則』の通りに『話し合い』に応じるか否かについてアベルに相談しなかったの?」と尋ねられると、Mさんは「それは私が決めることですから」と「統一教会の教え込み」効果を否定。先述の行動は、Mさんが意思に反して脱会説得を受けていた結果であることが浮き彫りになりました。

 後藤氏の二回目の拉致監禁当日、実家の庭に潜んでいた元信者で宮村氏の会社TAPに勤める男については、後藤氏兄や兄嫁同様、「協力を要請した覚えはない」と供述。「家族の話し合い」に際して、家族ではない他人が自宅の庭に潜んでいた理由について、後藤氏の「家族」である3人の被告人全員が知らなかったことが明らかになりました。

 続いて、長きにわたる「話し合い」期間中の食事献立や料理を担当していたというMさんは、 後藤氏が「食事制裁」と訴える粗末な食事について、「徹の身体を気遣ってのことだった」と繰り返し強弁。しかし、原告代理人の追及によって、当時家族が毎日食べていた生野菜のサラダやフルーツ入りヨーグルトを原告には与えていなかった等、Mさんが「メニューの参考にした」という書籍『断食・少食健康法―宗教・医学一体論』(甲田光雄著)の指導との矛盾が浮き彫りなりました。また原告代理人から「原告の為にやったと言うが、原告自身がそのような食事を望んだのか?」と尋ねられると、Mさんは否定しました。

 また、運動不足を解消するために一時期フィットネスジムに通っていたMさんと、部屋で屈伸などしか出来なかった原告との家族内の不可思議な格差も確認されました。

 さらに、これまでに認められた、原告が125カ月の間一度も一人きりになったことがない事実についてMさんは、「家族として、一緒にいてあげたかった」と供述。原告代理人から「幼稚園児でも一人になることはあるよね?原告から一緒にいて欲しいと頼まれたの?」と追及されても、「頼まれたわけではないが、それでも家族として一緒にいてあげたかった」と苦しい弁明を繰り返しました。

 午後は、職業的改宗活動家の宮村峻氏(広告代理店TAP社長)に対する主尋問から始まり、宮村氏は拉致監禁や強制説得への自らの関与を強く否定しました。

 続いて行われた反対尋問の冒頭では、過去に宮村氏の関与によって拉致監禁された男性教会員Tさんが、脱出後に宮村氏に対して抗議を行った際に関する尋問が行われました。原告代理人から「貴方はTさんに暴言を浴びせ、暴力を行使して排除しようとした。それはTさんが着ていたワイシャツが破けるほど激しかった、違いますか?」と追及された宮村氏は、その事実を全面否定しました。それに対し原告代理人は、「ここに一つのVTRがあります。今、貴方の脳裏には走馬灯のようにあの日の光景が甦っているでしょう?それと同じものがここに収められています」と述べ、再度、そのような暴力行為や中傷の有無を尋ねましたが、宮村氏は否定しました。同VTRは後に弾劾証拠として提出されるとのことです。

 また、統一教会に反対する家族の会である「水茎会」について、当時水茎OB会から別の被害者実家に送られて来た書面に「水茎OB会の皆様の救出活動に対するご協力に感謝しております。特に会費は救出にとって重要な役割を果たしております。水茎OB会の会費が救出活動を支えている事をお互いに心に刻んで参りたいと思います」「OB会は、Mさんの活動の母体です」「Mさんの活動を支えるために、・・・ご協力をお願い致します」と書かれていることについて原告代理人が「貴方の脱会活動を金銭的に支えていたのが水茎会ということか?」と質問。宮村氏は、「Mさん」が自分だと認めた上で、「年に2、3回皆で旅行に行く際にお金を(水茎会から)出してもらうことはありました。支援を受けた活動とはそのこと」と供述しました。

 続いて、4月8日に被告側の証人として尋問台に立ったO氏の妹が書籍『親は何を知るべきか』(1997年発行・いのちのことば社)に寄稿した手記の中で、「どうしたらここ(説得現場)から出られるのかを、宮村さんに聞いてみたい」(p193)とO氏が発言していることを原告代理人が示し、「なぜO氏は貴方に聞きたいと?」と質問しました。対して宮村氏は、「統一教会で『監禁』と教え込むからだろう」と答弁し、原告代理人による「つまり本当は監禁されていないのに、そう思い込んだと?」との確認にも「正解です」と返しました。

 また、宮村氏が懇意にしている神戸真教会の高澤守牧師が拉致監禁・強制改宗被害の加害者として訴えられた裁判で、施錠による監禁事実を高澤牧師自身が認めている期間内に宮村氏が同監禁場所を訪れていた事実についても、「私は監禁という認識はなかった」と言い張りました。

 反対尋問の終盤では、原告代理人から「何故、原告は125カ月間もの長期にわたって、家族との非生産的なやりとりを続けたと思いますか?」と尋ねられた宮村氏は、「彼の知識と頭がその程度だからでしょう」と答え、続く「あなたが(後藤さんのように)10年以上外に出られない立場だったらどうか?」との問いには「徹君が自ら犯した過ちをじっくり反省するには良い機会だと思う」と言い放ちました。

 自らの支援者が多く傍聴していたためか、反対尋問全体を通して宮村氏による原告代理人への不遜な言動が目立ちました。「日本語わかりますか?」「喧嘩売られているみたいだ!腹立つ!」「下手っ糞な誘導尋問やめてくださいよ」等と虚勢を張る姿は、被告側が主張する「礼儀正しく誠実に」(乙八第7号証の2)「懇切丁寧に一人の人格者として」「丁寧に質問に答え」(乙ハ第8号証の2)る宮村氏の人物像とはかけ離れた醜態をさらしました。

 宮村氏の不規則発言には、裁判長も「聴くに堪えない」といった表情を終始浮かべ、特に目に余る発言に対しては「今のそのまま調書に残しますよ!」と注意する一幕も見られました。

 次回は、924日(火)午前11時半から709号法廷で、最終弁論が行われます。法廷での傍聴は抽選になる予定ですので、開廷30分前までにお越しください(通常は、開廷時間20分前までに東京地裁玄関前の指定場所で抽選券が配布され、その場で抽選が行われます)。 

  • 我らの不快な隣人

    ルポライター米本和広氏が、拉致監禁によって引き起こされたPTSD被害の実態をレポート。

    ►第6章 掲載
  • 人さらいからの脱出

    世にも恐ろしい「人さらい事件」に関わった弁護士、牧師、マスコミ人らの非道な実態を実名で白日のもとにさらす。

    ►書籍紹介
  • 日本収容所列島

    いまなお続く統一教会信者への拉致監禁。小冊子やパンフレット、HP等で告知してきた内容をまとめました。

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