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“拉致監禁”の連鎖(171) パートⅥ 「Kさんは気の毒な人です」
成人女性が強制棄教のため拉致監禁されていた東京都調布市柴崎のマンション。「脱会説得」に現れた宮村峻氏にKさんが同行していた
「Kさんは気の毒な人です」
<仮に、もし拉致されて、北朝鮮に連れて行かれた、家族や婚約者から「私は幸せにやってます。心配しないで、私のことは忘れて下さい。探さないで下さい」と手紙が来たら、心からそれをメッセージとして受け取れますか? 信じる事ができますか? 愛する家族が行方不明になったらありとあらゆる手段を講じて探すのが万人の心ではないでしょうか?>
最終公判での宇佐美氏の意見陳述(注・「Kさん」は実名)。Kさんの居所を約3年間探し続けたその間の思いを、北朝鮮に拉致されている被害者たちの家族の悲痛な心情になぞらえた。
<もしKさんが、私に対して、何の気持ちもなく、むしろ私に探されることが嫌だと思っていたのであれば、なぜ、もっと早く、直接、私に教えてくれなかったのでしょうか? 私のメールアドレスや住所、電話番号は以前と同じです。私はKさんがいつでも連絡が取れるようにしていました。なのに、なぜ、Kさんは、自分の意思や気持ちを、電話やメールで、はっきりと、私に伝えなかったのでしょうか?>
<また、Kさんが、私に、そのことをはっきりと伝えてくれていれば、私は、理解できましたし、わざわざGPSを使ってまで、Kさんを探す必要もありませんでした。GPS付携帯電話は、もしものときに、犯罪を未然に防いだり、迷子の子供を捜すことのできる普通の道具なのです。背景と目的を見て判断して欲しいと思います>
偽装脱会かもしれないと思い気遣った、そのKさんに、ストーカー行為の容疑で訴えられた悔しさがにじみ出ている。五つの公訴事実についても、改めて逐一、反論した。
<私が、公訴事実1の車を見る行為が、どうして、Kさんに対する恋愛感情を充足させることを目的とした待ち伏せ行為とされるのか、全く理解できません。中に誰が乗っているかも分からないし、Kさんの姿も見ていないのに、また仮に、Kさんを発見したところで、そんなことでいったい何が充足されるのでしょうか? これは公訴事実2から4の件でも同様に言えることです>
<公訴事実5のときも、私が、わざわざ宮村さん(注・職業的脱会屋の宮村峻氏)や支援者が一緒にいるサウナまで行って、Kさんを見ることで、なぜ、恋愛感情の充足目的があったとされなければならないのでしょうか? また、受付付近で、Kさんに話しかけたときも、私は、Kさんに復縁を迫ったり、結婚しようといった言葉は一切言ってません。これでどうやって、恋愛感情が充足されるのでしょうか?>
今年1月2日深夜、東京都調布市柴崎のマンションに拉致監禁されていた成人女性(後に自力でベランダから脱出)の元に、宮村氏が脱会説得のためにやってきた。その時、宮村氏に同行して現れたのがKさんだった。
<私は今回このように、不当な言いがかりと、ぞんざいな扱いを受けたことに、憤りを感じています。しかしながらKさんに対しては、気の毒だと思っています。それは周りが作り仕立てたKさんであるからです。Kさんは、本当は心優しい人でしたが、今は、恐ろしい人になってしまいました>
宇佐美氏のKさんへの最後のメッセージとなった。
(「宗教の自由」取材班)
世界日報〝拉致監禁″の連鎖
http://www.worldtimes.co.jp/special2/ratikankin/main5.html