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“拉致監禁”の連鎖(160) パートⅥ 露骨に拉致監禁問題を忌避
Kさんが平成21年夏頃居住していたと見られる東京・杉並区の西央マンション。
宮村峻氏の自宅に近い
ストーカー事件の公判は今年5月11日に始まったが、毎回のように傍聴席に、拉致監禁に遭った被害者とその関係者や統一教会関係者、もう一方で、反統一教会グループと拉致監禁に関わる職業的改宗屋ら、その他に取材メディアやフリージャーナリストらが姿を見せた。
公判への関心は回を追うごとに高くなり、統一教会員への強制棄教活動の首謀者とされる宮村峻氏が検察側証人として出廷した第4回公判(6月24日)では、40数席の傍聴席に対し傍聴券を求めて150人近くが列を作った。
ところが、である。
検察側の主尋問のあと弁護人の反対尋問で、拉致監禁の事実に関わる質問が出ると、証言がことごとくシャットアウトされた。以下の通りである。
弁護士 これまで何人くらいの信者に対する脱会支援を行ったんですか。
宮村 ストーカー事件と関係がありますか。
検察官 主尋問と全く関係がありませんので。
弁護士 証人の属性に関して質問しているのですが。
裁判官 今の質問は証人の属性とは言えません。
(中略)
弁護士 証人が統一教会信者が拉致監禁されている認識を持っているかどうか。
裁判官 主尋問との関連性はないと考えます。質問を変えてください。
(中略)
弁護士 証人は統一教会信者の脱会支援にいままでたくさん関わってきましたよね。
宮村 はい。
弁護士 証人は統一教会信者の中で、本心で脱会する意思がないのに脱会届を書く信者というのはいましたか。
検察官 異議です。それも主尋問と関連性がないと思います。
裁判官 質問を変えてください。
弁護士 では、偽装脱会という言葉は知ってますか。
裁判官 同じです。これ以上、そのための質問が続くようであれば、尋問を打ち切っていただくことになります。
まるで、裁判官と検察官が示し合わせているような光景である。
弁護人が、宮村氏にその前歴や活動内容を質したのは、Kさんの失跡が強制棄教のためであると考えた宇佐美氏の行動の動機を明らかにするためだった。にもかかわらず、検察側が質問封じの異議を唱え、裁判官は、さほどの考慮の様子も見せないまま検事の主張をうのみにして、弁護人に質問変更を命じる-そんなことが繰り返されたのだ。
ストーカー事件の肝心要のポイントには触れまいとして、強制棄教の実態をえぐり出すという弁護人らの努力を遮断する意図が露骨に出たと言える。
傍聴人たちは、その成り行きを静かに見守っていたが、がっかりしてため息が漏れ出たり、訴訟指揮に不信をもつ白けたムードが広がった。
結局、弁護人の質問に対し宮村氏は「(脱会支援に)27、8年(携わっている)」「(Kさんが失跡した当日の)2008年1月1日にKさんと初めて会った」ことだけを認めた。
(「宗教の自由」取材班)
世界日報〝拉致監禁″の連鎖
http://www.worldtimes.co.jp/special2/ratikankin/main5.html