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2011年6月27日
拉致監禁・強制改宗への関与で知られる高山正治牧師に直接抗議/「日本脱カルト協会」京都公開講座
(会場となったキャンパスプラザ京都 6月25日)
「日本脱カルト協会」は、1995年、オウム事件を契機に設立。彼らが独自に「議論ある団体」と特定した新宗教を「カルト」と呼び、そのような「カルト」に対する「予防策や社会復帰策などの研究、およびその成果を発展・普及させることを目的とする」としています。
「カルト問題からみた大学の役割」と題する講演会は、同協会が大学間に浸透を進めるカルト情報交換網「全国カルト対策ネットワーク」の一環として開催。「カルト団体から学生を守ろうとする大学に手を差しのべる為に集まった専門家有志による提言の場」と意義付けています。
同協会所属の専門家からの有意義かつ示唆に富む発表も含まれる一方で、大学内における「カルト対策」の現場では、「大学の社会的責任として」、「学生の大学生活の妨げにならないように」という大義名分の下に、宗教系サークルとそのメンバーに対する構造的な迫害および人権侵害が横行している事実が度々報告され、米国など海外からも問題視されています。国際宗教自由連合(米国)ウェブサイト
宗教系サークルメンバーをキャンパスの「異物」のように扱い、恒常的な監視と本人への直接尋問を始め、脱会や棄教の強要は珍しくなく、さらには、大学院入試拒否など各種のアカデミックハラスメントやパワーハラスメントも報告されています。中でも悪質な事例は、保護者(両親)と外部の「救出」牧師との連携促進、棄教させるための牧師との面会強要、拉致監禁と強制棄教の幇助など、人権先進国ではありえない常軌を逸した大学の実態が明らかとなっています。
宗教ジャーナリストの室生忠氏は、月刊誌『財界にっぽん』にて特集を連載。「『カルト対策』と称する大学当局の“新宗教狩り”」というタイトルで4ヵ月連続、計16ページにわたって大学の異常性を糾弾しました。同氏は記事内で、信教の自由・人権侵害が報告された大学を教職員共に実名をあげて掲載し、「新入生全員にマイノリティ宗教批判の聴講と、〝内心″告白を義務付ける非道さ。サークル情報の〝密告″まで強要する大学とは、いったいいかなる大学なのか。公然たる大学アカデミックハラスメント、パワーハラスメントの卑劣さに心底、憤りと失望を禁じ得ない」と断じています。
また、統一教会信徒に対する拉致監禁・強制改宗への悪質な関与で知られ、大学生までもターゲットとする高山正治牧師が所属することで悪名高い「倉敷めぐみ教会(岡山)」のリンクが、こともあろうに、岡山大学の学生支援センターが作る「カルト対策」のホームページに、堂々と貼られていたという信じ難い事実もありました。(※統一教会やCARPからの抗議を受けて今年2月、岡山大学は同教会のリンクを削除しています)
その高山牧師がパネリストの一人として招聘されたのが、6月25日、キャンパスプラザ京都で開催された公開講座であり、さらに、主催側が高山牧師に要請した講演テーマの「宗教者と大学の連携」という厚顔無恥ぶりを目の当たりにし、高山牧師の関与により拉致監禁被害を受けた2名を含む統一教会員の有志が立ち上がり、同講座および高山牧師に対して抗議を行うことは当然と言えます。
公開講座への抗議に先立ち、統一教会員が主催側へ、この度の抗議活動の趣旨説明をしようとしましたが「忙しい」との理由で、受付担当であった滝本太郎弁護士は拒否しました。
炎天下の下、講座が始まる1時間前から、会場から道を挟んだ歩道に約40名の信徒が整列。『本日の講師、自称脱会カウンセラー高山正治牧師は被害者に謝罪せよ!』などと書かれた横断幕やのぼりを掲げながら、シュプレヒコールを繰り返しました。また、被害者の陳述書を元に作成された抗議ビラを歩道で配布。多くの通行人が受け取り、興味深そうに紙面に見入り、教会員に詳細を尋ねる人もいました。
約50名の統一教会員・CARPメンバーを含む参加者150名以上で会場が埋まると、司会者である慶応義塾大学・平野学氏がマイクをとり開講宣言。続いて、リンク総合法律事務所所属の弁護士、山口貴士氏がマイクを握り「プログラム上では鈴木文月となっておりますが、私が代わりにつとめます」と前置きしながら、注意事項の説明を必要以上に緊張感を漂わせながら行いました。統一教会側の抗議活動が予測されたため、急遽人的配置を変更したものと思われます。山口氏は会場外で抗議ビラが配られた際、真っ先に手に取り内容を確認し、「なんだ、こんな程度か。これなら問題ない」と意外そうに呟く姿も確認されています。
その後、「日本脱カルト協会」代表理事である西田公昭・立正大学教授による挨拶。続いて『学生支援とカルト対策について』と題して松岡洋一・岡山大学教授が基調講演を行いました。続いて『高校教育からの取り組みについて』と題し楠山泰道・日蓮宗僧侶が壇上に上がりました。
注目の高山正治牧師による講演が始まると、同氏は「与えられたテーマは、『宗教者と大学の連携』でしたが、これから話すことはテーマにはあまり沿っていません」と前置いた上、韓国発祥のいくつかの宗教を「異端」として紹介しました。しかし、統一教会員による注目のためか、予め用意した資料を大部分削除。講演自体も脈略がなく、薄っぺらな内容でした。同氏は内容について「もともとは事例発表をするつもりだった。脱カルト協会メンバーだけの場ならいいが、統一教会員さんが多く参加するこの場では、何に利用されるかわからない等、差し障るので控えます」と釈明しました。
参加者によると、高山牧師は開講前に参加者名簿を確認し、統一教会員・CARPメンバーの人数の多さに驚いて「ほとんど統一教会じゃないか!」と主催側にぼやくシーンもあったようです。
その後、他の講演者が発表を終え、公開講座が無事閉講した後、準備されていた「もう一つの抗議活動」が実施されました。
それは、統一教会員であり、高山牧師の首謀による拉致監禁の被害者M氏が、自ら作成した抗議文を全ての講演者に手渡し、高山牧師の真の姿を知ってもらう試みでした。M氏の「どうか読んでください」と頭を下げる姿に、脱カルト協会の理事も兼ねる講演者達は手渡される抗議文を快く受け取っていました。
M氏は最後に、フラッシュバックの恐怖を乗り越えて高山牧師に近寄り、「先生、私を覚えていますか?」と声をかけました。高山牧師はM氏を覚えていましたが、監禁下より自力で脱出したM氏に対し、「君は逃げてしまったが、そのことについて怒ってはいないよ」と、自らがM氏に被害を与えた事実について無自覚な様子でした。
後日、今回の公開講座の立案者であった瓜生崇(うりう たかし)氏・真宗大谷派僧侶は、名刺を交換した統一教会の本部職員に対し、
「高山先生については招聘したのは僕。理由は大変尊敬している人だから。でもやり方やスタンスについては、かなり違いはあります・・・」「高山先生なんてのは名ばかりの会員ですからね。公開講座で初めてJSCPR(日本脱カルト協会)に出たって・・」と弁明。加えて「日本脱カルト協会」は様々な思想やスタンスを持つ者同士による「緩やかな集まり」であると説明し、高山牧師と「日本脱カルト協会」による「連携」を否定しました。
「拉致監禁・強制改宗」という蛮行の非道さと被害の深刻さを顧慮すれば、高山牧師のような人物を招聘することは到底許されることではありません。同牧師と大学との「連携」により新たな拉致事件が発生する可能性も懸念されます。「全国 拉致監禁・強制改宗被害者の会」としては、高山正治牧師が自らの行いを反省し被害者に謝罪するまでは、このような不謹慎な企画に対しては断固抗議する所存です。