国際社会からの非難
人権NGO「国境なき人権」(HRWF)が『日本 棄教を目的とした拉致と拘束』を公表
2012年2月22日、欧州の著名な国際人権NGOである「国境なき人権」(Human Rights Without Frontiers、HRWF)(本部ブリュッセル)が家庭連合信者の拉致監禁問題について詳しく調査した報告書を世界に向け公表しました。
この報告書(『Japan Abduction and Deprivation of Freedom for the Purpose of Religious De-conversion』、『日本 棄教を目的とした拉致と拘束』)はインターネットで「国境なき人権」のホームページから閲覧することができます。ぜひ、ご一読ください。
『Japan Abduction and Deprivation of Freedom for the Purpose of Religious De-conversion』
【人権NGO「国境なき人権」について】
ベルギーのブリュッセルに本部を置く「国境なき人権」(1989年創設)は、欧州で最も権威ある人権団体のひとつに挙げられます。創設当初より、人権状況の監視・調査、民主主義と法による統治の促進に焦点を当ててきました。過去には、2009年の国連人権理事会「普遍的定期審査(UPR)」において『朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に関する報告書』を提出し注目を集め、信教の自由の分野では、韓国のエホバの証人に対する兵役拒否の宗教的権利の剥奪や、中国の法輪功に対する弾圧などの調査報告を行っています。最近重点的に取り扱っているテーマには、宗教の自由、人身売買、少数言語の問題、子供の権利などがあります。
【国境なき人権 報告書『日本 棄教を目的とした拉致と拘束』解説】
―以下『日本宗教の闇』室生忠著 348~349pより引用-
まず注目すべきは、「国境なき人権」という特定宗教と特別の関係にない権威ある第三者機関によって、 日本における「棄教を目的とした拉致と拘束」 の実在とその実態が明確に認定された事実である。報告冒頭の『論点の整理』は、次のように始まっている。〈この報告書は、 独立系の非政府機関「国境なき人権 (HRWF)」が、日本人を対象にした棄教目的の拉致・監禁の実態を記録したものである。また、日本の警察と司法当局が、そのような形の家庭内暴力について、加害者の捜査も起訴もしていない状況も説明した。拉致行為の被害者が法の下の平等な保護を受けられず、加害者が法的責任を問われない実情は、 日本国民が憲法で保障されている権利の侵害であり、日本が国家として国際的義務として負っている人権基準への重大な侵害である〉
これまでも日本の拉致監禁問題は、 米国務省が 1999年から米連邦議会に提出している「国際宗教自由報告書」や各種の有力人権機関のウェブサイトで取り上げられてきた。しかしいすれも、その前提として「統一教会の訴えによれば」「統一教会によれば」といった枕詞を付されているのが常だった。
例えば、2010年2月、当の「国境なき人権」が「このほど国連人権理会に、日本の拉致監禁・強制改宗問題について正式な意見書が提出された」という趣旨のニューズレターを配信したが、そのときも“UPFの報告によれば”となっていた。UPF (ユニバーサル・ピース・フェデレーション) は、国連に意見書を提出する権利を有している家庭連合系の国連NGOだ。 その「意見書」は人権理事会への正式な申し立て文書として保管されることにはなったものの、"統一教会側の主張によれば“という色彩は免れなかった。
拉致監禁虚構派は常にこの点を衝いて、"拉致監禁の実在を確認、認定している客観的な人権団体は存在しない。統一教会の主張にすぎない“と抗弁し続けてきた。つまり今回、権威ある第三者機関として「国境なき人権」が、日本の「棄教を目的とした拉致と拘朿」の実在を明確に認定したことは、決定的な意味を持ってくるのである。
レポート『日本:棄教を目的とした拉致と拘束』を概観していこう。冒頭の『論点の整理』に続く、第一章『はじめに』(筆者・アーロン・ローズ元国際ヘルシンキ人権連合事務総長) の鋭い指摘は以下の部分だ。
〈この問題を分析し、人権問題の文献として世に間うために、「国境なき人権」が選ばれたのは、他の独立系の人権団体よりも信教の自由に関する分野に強く、 経験が豊かであり、 客観的で科学的な仕事ができるとの公正な評価を得ていたからである。
2010年の訪日中(注・2010年7月~8月の「ヨーロッパ指導者会議及び事実調査旅行」のこと)に面会した国会議員の一人は、拉致・監禁問題を打開するには、「黒船が必要だ!」と発言した。「黒船」とは1853年に来航したペリー提督率いる米国艦隊のことで、それが日本を開国させ近代化を促すきっかけになった。(訳注:同議員は、同様の外圧がなければこの問題を発展させるのは難しいとの認識を示したものである)そうした発言を聞くと、日本独持の文化がいかに執拗であるか、あきらめにも似た感情に襲われる〉
ローズの観察と認識によれば、信教の自由をめぐる日本社会の現状は、その打開のために政治、警察・検察、司法、マスメディア、国内人権団体のすべての分野において、強力な“外圧”を必要とするほど“執拗”な後進性に冒されているというのである。
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